ありのままの自分でいるのが怖いのは
そのままの自分じゃダメなんだと
人生のどこかで思いこんだからです。
自分を隠して
別の自分で生きるのは、
窮屈で苦しいけれど
そうしなければ
愛されないと思っているから
本当の自分で生きるのが怖いのです。
心屋仁之助さんのブログ記事より
「傷ついたダイヤモンドの物語」
■傷ついたダイヤモンドの物語 | 心屋仁之助オフィシャルブログ「心が風に、なる」Powered by Ameba (ameblo.jp)
傷つくのが怖い
傷つけられた心をえぐられるのが怖い
同じ失敗や
同じあの気分を味わいたくない。
自分の欠点や、失敗の記憶、
そんなものは消してしまいたい。
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そうして、どんどん防御していった
そうして、どんどん殻を作っていった。
中にいる本当の自分が
出してくれと叫ぶ。
中にいる自分が、まだ悲しんでいる。
中にいる自分が、まだ怒っている。
でも、出てくるな! 顔を出すな! 消えてしまえと
今までも、そしてこれからも閉じ込めてしまう。
それが顔を出すと
なんて言われるだろうかと怖くなる。
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ダイヤモンドの物語
私はダイヤモンド。
生まれた時からキラキラ輝いていました。
とっても芯が固くて、透明で、輝いていた。
それを見た、心の曇った人が
・まぶしいんだよ
・透明すぎて面白くないわ
・痛い!硬すぎるんだよ!!
と、ダイヤモンドを攻撃しました。
硬すぎて、自分の思い通りの形にならないから。
美しすぎて、汚れた自分では見ていられない。
まるで自分が汚れているのを見せつけられるようで。。。
やがてダイヤモンドは、
これ以上傷つけられないために土をかぶりました。
汚くなろうとしました。
目立たないようにしようと思いました。
山の中にもぐりこみました。
やわらかくなろうとしました。
そして、光を出さないように
じっと息をひそめて生きてきました。
じっとしていれば、傷つけられることもない。
でも、他の宝石たちがもてはやされているのを見ると
心がざわざわする。
なによ、ちょっと赤いだけじゃないの
あんなにちっちゃいくせに
私のほうが・・・
でも、私は傷つけられた。
どうしてだろう。
わからない。
きっと透明だからだ。
きっと硬いからだ。
きっとまぶしいからだ。
やっぱり、じっとしていよう。
でも・・・。
ある鉱夫が、ダイヤモンドを見つけました。
「なんだこれ、きたねーな。」
と、言われたので、
ダイヤモンドはこんどは人気のあった赤い殻を作って
光を放てるよう努力してみました。
すると鉱夫は
「お、この赤いのならきれいじゃん」
と言ってかわいがってくれました。
ダイヤモンドはうれしかった。
やっぱり、透明じゃないほうが喜ばれるんだ。
やっぱり、硬くないほうが喜ばれるんだ。
ダイヤモンドは、幸せな気分を味わいました。
こうしていれば、幸せなんだ。
でも、何かが納得いかない。
「赤いのなんていらないよ」と言う人がいる。
そんなある日、地震が起こり、
ダイヤモンドは床に叩きつけられました。
ものすごい衝撃で、ばらばらになりました。
ダイヤモンドは、
あわてて必死で赤い殻をかき集めました。
その間に、中から光るものが見えてしまいました。
必死になって赤い殻で隠そうとします。
鉱夫がそれをみつけました。
「ちょっとまて、お前、本当は透明なんじゃないか」
ダイヤモンドは思いました。
「ダメだ!見つかった!これでもう嫌われる!!」
鉱夫は拾い上げて、
外側の赤い殻をむしり始めました。
工具でどんどん叩くと、硬くて割れない中心以外の
外側の赤い殻がどんどん落ちて、中から土が見え始めました。
鉱夫は、その土も嫌がらずに取り始めました。
ダイヤモンドは
自分を覆っていたものがどんどんはがされていくので
恥ずかしくて、つらくて、怖くてたまりません。
やがてダイヤモンドは、
その姿をすべてさらけ出すことになってしまいました。
「もうだめだ・・・」
鉱夫は、ダイヤモンドを手に持って、
しげしげと眺めています。
そしてこう言いました。
「こういうのが欲しかったんだよなぁ」
え?!
「こんなに自然で、透明で、輝いてる。
それに、この硬さを使えば何かの役に立つんじゃないか」
もっと傷をつけたり、角度をつけたり
光を当てたら、もっと輝くんじゃないか。
やがてダイヤモンドは、職人の手に渡り
さらに「仕事」をされて、上手に「切られて」より輝きを増していきました。
そして、ダイヤモンドは
何をするわけでもなく
そこにただ置いてあるだけで
たくさんの人を幸せにするのでした。
また、その硬さを使って
さまざまな物の形を変えることもできたのです。
自分が昔傷つけられたこと。
それが人を幸せにすることだ、やっとそう気づいたのです。
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「そのままでいいんだよ」
そう言われても、「そのまま」でいたら、傷つけられた。
「失敗してもいいんだよ」
そう言われても、失敗したら、怒られたし、笑われた。
だから、「そのまま」を出さないようにしよう
だから「しっぱい」しないようにしよう
きっと、これからもみんな私を傷つける
きっと、これからも失敗したら、怒ると笑うんだ。バカにするんだ。
「ぜったいそうだ」
ダイヤモンドも、そう「思い込んで」いました。
「思い込みじゃないんです、本当なんです」
「本当に、あれからも何度も傷つけられたんです」
「だから、本当の自分を出しさえしなければ
平和に暮らしていけるんです」
ダイヤモンドも、そう思っていました。
傷ついた動物のように、世界を斜めに見ていました。
実は、そういう目で見ていると
全ての優しさや指導、育成の愛情も「攻撃」に見えてしまう。
だから、餌をやろうとした人間の手を噛んでしまう。
そして、誰も助けてくれない、と思い込む。
そして、「餌をくれるべきでしょ」と正しさを持ち込む。
手を噛まれた人の中には、追い払う人もいるかもしれない。
懲りずに、優しさをくれる人もいるかもしれない。
「自分を出してもいいんだよ」
「弱さを出してもいいんだよ」
「いい人でいなくてもいいんだよ」
「全ての人に愛されなくていいんだよ」
「全ての人を愛さなくてもいいんだよ」
「出せない」じゃない
「出さない」んだ。
「出したくない」んだ。
イヤな感情が蘇ってくるから。
そこに向き合いたくない。
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そのいやな感情は「思い出」です。
それか「終わっていない宿題」です。
感じきり
燃やしつくして
引きずらないで
そうして初めて、
本当の未来が見えてくるのです。