アダルトチルドレン(Adult Children)とは、日本語に訳すと「成人した子どもたち」という意味で、家庭や環境の中で育った際に、身体的・感情的・精神的な虐待や無視、過度の責任感などによって、成人後にさまざまな心理的な影響を受ける人々を指す言葉です。
アルコール依存症や薬物依存症、家庭内暴力などが関与していることがあります。
もともとは1970年代のアメリカで社会福祉に従事する人たちが使い始めた概念で、当初は「アルコール依存症の親のもとで育ち、大人になった人たち」という意味合いで使われていたものが、その後、 「機能不全家庭(身体的・精神的虐待などがある家庭)で育った人たち」とのことをさすようになっていきました。
現在では、両親から愛情を十分に受け取ることができず、身体的、・精神的な虐待や過保護、過干渉により潜在意識の中に植えつけえられた幼いころからの精神的ダメージに悩み、社会生活において困難をきたしている人たちのことを表す概念として使われています。
虐待を受けたり、否定されたり、あるいは過保護、過干渉により親からの愛情を感じられず、自分の心が抑圧され、子どもらしく自由にふるまうことができなかったり、自分の感情を表に出すことができなかったことにより、子どものころの経験がトラウマになり、対人関係に問題を抱え、自分を否定しやすく、社会とうまく関わることができない状態になります。
アダルトチルドレンは、以下のような特徴を持つことがあります。
自己肯定感が低い。
過去の経験からくる自己評価の低さや自己否定感が見られることがあります。
対人関係が困難: 健全なコミュニケーションをとることや人間関係を築くことが難しくなる場合があります。
自分のせいだと思いやすい。
家庭内で大人の役割を果たす必要があったため、他人の問題や責任を過度に感じることがあります。
感情のコントロールが難しい: 感情のコントロールや処理が難しい場合があります。怒りや悲しみを適切に表現することが難しいこともあります。
アルコールや薬物の乱用。
家庭内のストレスから逃れるためにアルコールや薬物に頼る傾向がみられすことがあります。
カウンセリングや専門家の支援やセラピーグループへの参加などが、アダルトチルドレンが健全な心理的成長を遂げるのを助けることがあります。
アダルトチルドレンの問題が、社会生活を困難にしたり、生きづらさを強く感じている場合などは、心理カウンセラーなどの専門家に相談してみるといいでしょう。