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インナーチャイルド

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「インナーチャイルド」は心理学や心理療法で使われていた言葉で、最近は一般的にも広まりつつあります。

人の内面にある子どもの頃の自分やその感情、記憶、トラウマ、欲求などを表します。

この概念はユングの「個人的無意識」やフロイトの「幼児期のトラウマ」と関連していて、クライアントが抱える現在の問題や心の障害には、幼少期の経験や感情が大きな影響を与えているという考え方に基づいています。

 

心理療法の中には、クライアントが自分のインナーチャイルドに気づき、理解し、癒すことを目指すものもあります。

これにより、過去のトラウマや感情の処理、自己理解の向上、心の健康を促進することが期待されます。

 

ただし、インナーチャイルドは科学的な用語として定義されたものではなく、心理学の学問的な用語として確立されているわけではありません。

したがって、心理療法のアプローチや理論によって、この概念の扱い方や意味合いが異なることがあります

 

インナーチャイルドというのは、人の内面にあり、生まれた時から持っている部分です。

人には、誰かに教わらなくてもなんとなく感じたり、知っていたりするものがあります。

 

食欲や生理的欲求、暑さ寒さを感じたり、痛みを感じたり、生きていくために必要な感覚を生まれつき持っています。

例えば、お腹が空くと何かを食べたくなる、寒すぎたり暑すぎたりすると不快に感じるなどは、誰にも教えてもらわなくても、自然に感じる心です。

生まれたばかりの赤ちゃんの時から備わっている心の部分です。

生まれたときから備わっている心のものなので、その人そのものとも言える部分です。

 

機能不全家族ともいわれるような問題を抱えている家庭環境の中では、子どもは自由に伸び伸びと自分らしくふるまうことができません。

 

親から否定されたり怒られたり、暴力を振るわれたりすることが頻繁にあると、子どもは自分らしく自由にふるまうよりも、怒られないように、危害を加えられないように、親の意向に添うようにと努め、いつも何かにおびえているような状態になります。

 

機能不全家庭の中で自分の身を守り、自分が生き延びるために、親の言う通りに親の意向乗っ取りに生きる方法を選ぶ、あるいはあくまで親に反抗する方法を選び、あるいは親に反抗する方法を選びます。

 

どちらの選択をした場合も、自分らしくあることはできず、本当の自分を隠すことになり、心の中にさまざまな葛藤や苦しみが生まれ、インナーチャイルドは傷ついていきます。

インナーチャイルドを押さえつけられ、本当の自分を意識の奥深くに閉じ込めていきます。

 

子供の頃、親の愛情を感じ取り自由にふるまうことができなかったことにより、インナーチャイルドは傷つき、癒されないまま、常に悲しさや寂しさ怒りなどを感じるようになります。

 

インナーチャイルドが傷つくことで、心が健全な状態で大人へと成長していくことができなくなります。

そして、インナーチャイルドは、人の基礎となるものの一部なので、傷つくことで、その人の持つ本来の能力を発揮することができなくなります。

 

何か問題が起きた時に、すぐ「自分が悪い」と思い込んでしまうのは、インナーチャイルドが傷ついている人の特徴です。

 

愛情を受け取ることが十分にできずに育ち、親の意に反する行動をする自分をダメな子なのだと思いながら過ごすうちに自分を否定する思考を持ち、大人になっても「自分はやっぱりダメなんだ」「自分は間違っているんだ」などと思いがちになります。

 

そのような自分を否定する思考が、さらにインナーチャイルドを傷つけることになります。

 

人と関わること苦痛だったり、会話をするのが苦手だったりするのも、インナーチャイルドが傷ついていることが原因になっていることがあります。

 

子ども時代に適切な愛情を受けることが少なかったことにより、「他人は自分を傷つける」のではないかという不安を持つようになります。

 

その為、大人になっても心の底から他人を信用できません。

「どうせ自分は嫌われている」という前提に立って人と接するので、なかなか相手と打ち解けられないのです。

 

友だちや恋人ができにくく、できたとしても、相手に裏切られるかもしれないという不安がり、心を開くことができません。

相手と親しい関係を結ぶことが出来ず、結果的に関係が崩壊してしまうこともあります。

人間関係がうまくいかない経験を繰り返していると、さらに対人恐怖症が強くなるという悪循環に陥ります。

 

また、インナーチャイルドが傷ついている人は、他人をコントロールしようとする傾向があります。

特に身近な人に対して、相手をコントロールしようとしがちです。

 

自分の思うように物事が進まないと不安を感じ、なんとか自分が「こうあるべき」と思う方向に導こうと周りの人たちをコントロールしたくなるのです。

そうすると、相手は、「信頼されていない」「見張られている」と感じ、離れていってしまいます。

それが子どもに向けられると、過保護、過干渉となる、子どもの自立を妨げることになります。

 

 

インナーチャイルドは自分のなかにある本来の自分です。

それを押さえつけてきたために、自分が本当はどう感じているのか、何をしたいのか、自分自身のこと、「ほんとうの自分」がわからなくなっているのです。

 

 

ほんとうの自分を見つけるためには、自分の心の奥にあるもの、潜在意識の中にある自分の心と向き合い、知ることが必要です。

それが、インナーチャイルドと向き合い、傷を癒すことになります。

インナーチャイルドと向き合い、深層心理を客観的に理解していくことが大事です。

こうした試み全般を「インナーチャイルドを癒す」と表現します。

 

インナーチャイルドの傷が癒されると、思考や行動を制限していた感情を手放すことができます。

人の目を気にせずに行動できるようになります。

そして、自分のやりたいことができるようになります。

そうなるためには、自分の思い込みをなくし、物事を客観的に見て、ありのままに受け入れ、自分と向き合うことが大切です。

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