人生において起きる出来事には、意味があります。
今目の前にある課題が、自分に取っては意味のないようなものに思えたとしても、そこに本気で向き合っていけば、道が開け、しあわせな未来を手にすることができます。
人生において、ビジョンやミッション(目的や使命)を明確にし、そこに向かっていく意識を持っておくことで、やる気を保ち、物事に真剣に取り組むことができます。
ビジョンやミッションが明確であれば、困難な状況に合っても、やりがいを感じることができます。
私は子どもの頃から、「自分なんか存在しなければよかった」と思い、なぜ自分が生きているのか、生きている意味を見出せませんでした。
公務員を辞めてやりたい仕事を始めると、生きがいを感じられるようになりましたが、仕事は決して順調とは言えませんでした。
自分には十分な能力がないという思いがぬぐえず、ほとんど収入もなく、悩む日々が続きました。
そんな日々から抜け出したのは、自分というものに対する考え方を変えたからでした。
「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれるNLPの考え方の一つに「ニューロ・ロジカル・レベル」というもの があります。
ニューロ・ロジカル・レベルでは、人間の意識構造を6段階的で表しています
図の上の階層にあるものは、下の階層にあるものに影響を与えます。
自己認識(セルフイメージ)によって、価値観も、能力も、行動も、環境も、その自己認識に影響されて、それにふさわしいものになります。
これらの6つの階層は、それぞれ次のような意識レベルです。
「スピリチュアル」
Being(在り方)
宇宙や地球、地域社会・職場・家族などの中での自分。
「自己認識」
Who?(私は誰?)
自分は何者であるか、自分の役割・ミッション。
「信念・価値観」
Why?(なぜそれが大切か?)。
信念や価値観、信じていること、思い込みなど。
「能力」
How?(どのように?)
才能、能力、リソースなど。
「行動」
What?(何を?)
行動、振る舞いなど。
「環境」
Where?(どこ?)When?(いつ?)
周りの環境、見えるもの、聞こえるもの、感じているものなど。
ニューロ・ロジカル・レベルでは人間の選択は上のステージから下のステージに影響を及ぼしていると言われています。
私たちは、何かうまくいかなかったときに「自分の行動や環境・能力」に原因があると思いがちです。
「あの人は能力があるからできるけれど、自分には能力がないから無理。」
「あの人はお金があるからできるけれど、自分にはお金がないからどうにもならない。」
能力がないからできないのではなくて、まだ今はできないだけで、やろうと思えばできることはたくさんあります。
何かをやるにはお金が必要かもしれませんが、問題はお金ではないこともありますし、お金を手にする方法だって自分が気づいてないだけで本当はあったりします。
本当の原因はそこにはないのです。
ニューロ・ロジカル・レベルでは、上のレベルの意識が下のレベルの意識に影響を与えるとされています。
自己認識に基づいて、価値観がうまれ、その価値観に沿った能力を身に着け、その能力を使う行動をし、その行動によって環境が作られます。
環境を変えてもうまくいかないのは、上のレベルの意識が変わっていないからです。
自己認識、価値観といった上のレベルの意識を変えなければ、環境を変えても頑張っても努力してもなかなか効果が表れません。
自己認識、価値観といった上のレベルの意識を変えるために、環境や行動といった下のレベルを変えていく方法もあります。
その場合は、どんな自己認識を持ちたいのかということを具体的にはっきり意識しておくことが必要です。
ただし、上のレベルの意識が下のレベルの意識を作っているという流れがありますので、どのような方法をとるにしても、上のレベルを変えなければ、してのレベルだけ変えても状況を変えられる範囲は限られています。
つまり、目の前の状況を変えたいのなら、目標を達成したいのなら、上のレベルの意識を変えなければ、どれだけ頑張って努力しても効果が表れにくいということです。
「私は役に立たない」という自己認識がある人は、誰かの役に立つ行動ができませんし、誰かの役に立てる環境になかったりします。
自分がどのような自己認識(セルフイメージ)を持っているのかを知るためには、今の自分の周りの環境、行動、発揮している能力などを書き出していって、それがどのような自己認識に基づいてできているのかを考えてみると良いでしょう。
そして、その自己認識を変えていくことで、信念・価値観が変わり、使える能力が変わり、行動が変わり、環境が変わります。
そして、一番上の階層にある「スピリチュアル」は、自分を超えた存在です。
家族、会社、地域、国、さらには地球、宇宙といった自分より大きな存在です。
大きなシステムの一部として自分の存在を考えます。
誰のために、なんのためにやるのか、それをやることで国・社会・地域などにどう影響する人になるのか、ということを考えた時、あなたなら、何を思い浮かべますか。
一番上のビジョン、スピリチュアルは、自分を超えた存在なので、まずは自分を確立し、さらにそれがより大きな存在のなかでどういう影響を与えられるのか、ということを意識すれば、ほんとうになりたい自分になるための人生をつくっていくことができます。
何かがうまくいかない、目標達成のために何をすべきかがわからない、という時は、ぜひ、この「ニューロ・ロジカル・レベル」を意識してみるといいでしょう。
私は、「自分は人より劣っている」という自己認識があったために、ビジョンを持っていてもそのもとになる土台ができていなかったために、うまくいかなかったのです。
仕事が今くいかないのも、その自己認識の下で頑張っていたからだったのです。
自己認識を変えたうえでビジョンを持てるようになると、道が開け始めました。